


スノヘッタとsbpによる、アメリカ・ニューヨーク州の「セントリー・ブリッジ」です。
州立公園の渓谷の歴史ある橋を造り変える計画です。建築家は、“景観との身体的な出会い”の創出を求め、文脈・触覚・耐久性の観点で素材選定も行った“片持ち梁の橋”を考案しました。また、時間の経過に“抗うのではなく耐える”存在も意図されました。
こちらはリリーステキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)
スノヘッタとシュライヒ・ベルガーマン・パートナーが、ワトキンス・グレン州立公園で完成した「セントリー・ブリッジ」を公開
驚きを込めてつくられた新しい歩行者橋
ニューヨーク州公園・レクリエーション・歴史保全局(The New York State Office of Parks, Recreation and Historic Preservation / OPRHP)は、ニューヨーク州で最も象徴的な自然の目的地の一つへのランドマークとなる玄関口である、ワトキンス・グレン州立公園の新しい「セントリー・ブリッジ」を公開しました。ニューヨークを拠点とするシュライヒ・ベルガーマン・パートナー(schlaich bergermann partner / sbp)とスノヘッタのスタジオが率いるチームによって設計されたこの橋は、エンジニアリングにおける革新性と、敷地の歴史的な特徴やドラマチックな自然景観への深い敬意とのバランスを取ったデザインによって、公園内で親しまれてきた横断箇所を再構想しています。
ワトキンス・グレン州立公園を冒険することは、洞窟のような岩壁、滝、静かな水たまり、苔に覆われた水の染み出す場所のある、驚きに満ちた旅です。ニューヨークを拠点とするsbp(シュライヒ・ベルガーマン・パートナー)とスノヘッタのスタジオが率いるチームによって設計された新しい「セントリー・ブリッジ」は、人々に親しまれているこの州立公園内の遊歩道構造物の伝統を基礎として発展させています。この橋は渓谷の入口を示すとともに、ニューヨーク州公園・レクリエーション・歴史保全局(OPRHP)が手がけてきた、そして今後手がける公共事業の100年を記念するものです。
「このプロジェクトは、この国で最も息をのむような渓谷の遊歩道の一つへのアクセスを回復するとともに、この重要なインフラが今後何世代にもわたって公園の訪問者に役立つことを確実にするものです。この重要な節目は、私たちの職員と、このプロジェクトを実現させた設計・施工チームの献身と専門知識がなければ、達成できなかったでしょう」と、ニューヨーク州公園・レクリエーション・歴史保全局のキャシー・モーザー(Kathy Moser)局長は述べました。
年間100万人以上の訪問者が、公園内の有名なゴージ・トレイルを通行します。新しい橋は、100年以上にわたって訪問者のために機能してきた、元の「セントリー・ブリッジ」に代わるものです。侵食や不安定な岩盤の状態による構造的な劣化が確認された点検を受けて、OPRHPは全面的な架け替えが必要であると判断し、敷地特有のエンジニアリング上の課題に対処しながら、歴史的な橋への敬意を示す恒久的な解決策を開発するよう、sbpとスノヘッタに依頼しました。
「セントリー・ブリッジの完成は、人々がワトキンス・グレンを楽しむことを継続させるとともに、世界中から訪れる新たな世代の自然を求める人々を迎え入れます」と、スノヘッタのパートナー兼建築家であるアラン・ゴードン(Alan Gordon)は述べました。プロジェクトディレクターのマット・マクマホン(Matt McMahon)はまた、こう述べています。「橋と遊歩道は、渓谷の歴史と工芸の伝統に敬意を払い、崖や小川の独特な生態系を保護し、石と水の体験を高めます」
特注で製作されたステンレス鋼の構造体は、渓谷を横断して46フィート(約14メートル)にわたり片持ち梁形式で張り出しています。この構造体は、岩盤がより強固で荷重を支えることができる北側で、完全に支持されています。橋の半アーチ状の身振りは南側の岩壁の背後に後退し、滝や崖、そしてその上方にある市民保全部隊(Civilian Conservation Corps / CCC)時代の渓谷の遊歩道への眺めを広げています。
「この橋は、熟慮されたエンジニアリングが、性能と体験の両方をどのように支えることができるかを示しています」と、シュライヒ・ベルガーマン・パートナーのマネージングディレクターであるマイケル・スタイン(Michael Stein)は述べました。「プレファブ化が可能で、渓谷への影響を最小限に抑えて設置できる、軽量な片持ち構造を開発することで、私たちは敷地の環境的な繊細さに対応しながら、ニューヨーク州で最も際立った景観の一つを巡る旅を高める、強靭な横断路をつくることができました」
職人技は、この橋の特徴の中心をなしています。素材である、ショットピーニング加工を施したステンレス鋼の構造体、ニセアカシア材の手すり、特注のブロンズ鋳物、粗挽きのヘムロック材を型枠に用いたコンクリート、そして新しいブルーストーンの踊り場は、それらが持つ文脈的、触覚的、耐久性のある性質を理由として、意図的に選定されました。
「地元で製作されたこの橋は、製作者たちの痕跡を帯びています」と、スノヘッタのプロジェクトデザイナーであるドネシュ・フェルドウシ(Donesh Ferdowsi)は述べています。「ディテールは明快で装飾がなく、時間の経過に抗うのではなく、それに耐えるように設計されています」
ブロンズ鋳物は、敷地のより細やかな要素を特徴としています。絶滅危惧種のトンボ、希少な植物、そして歴史的なアーチ橋の模型は、立ち止まってワトキンス・グレンの文化的・自然的遺産を観察するための、細やかで触覚的なひとときを提供しています。この橋はまた、ニューヨーク州公園局が定める厳格な100年間の耐久性要件を満たしており、この基準がすべての素材の選定を形づくりました。
体験的には、この作品は眼下の滝や地質への眺めを縁取り、霧や移り変わる光への意識を高め、単に景観の中を通過するのではなく、景観との身体的な出会いを生み出しています。熟慮された素材の切り替わりは、訪問者に手でつかむもの、感じるもの、そしてその場所との直接的なつながりを与えます。特注のニセアカシア材の手すりと、ピトン(岩に打ち込む登山用の金具)から着想を得た固定箇所は、岩壁やトンネルの不規則な表面を巧みにたどり、滝の裏側やトンネルの中、岩を削ってつくられた階段を上る際に、つかまる場所と心を引きつける動きを提供します。
建築、エンジニアリング、職人技、そして環境保全を熟慮して統合した新しい「セントリー・ブリッジ」は、入念につくられた公共事業を通じて人々と自然を結びつけるという、ワトキンス・グレンの長い伝統を継承しています。








