



田邉雄之建築設計事務所が設計した、長野・軽井沢町の別荘「COUPE HOUSE / クペハウス」です。
車の趣向等も良く知る旧知の施主の為に計画されました。建築家は、騒音対策などの要望に対し、幹線道路側に背を向けた“地面に低く構える’クーペ’”の様な佇まいの建築を提案しました。また、段差を作る断面構成と屋根勾配で棟高と軒高を低く抑えています。
「COUPE HOUSE」は、長野県軽井沢町のカラマツ林に建つ、延床面積約35坪のセカンドハウスである。
敷地は約255坪の正方形に近い形状で、南側が道路に接し、東側に向かって緩やかに下る勾配となっている。クライアントからの要望は、東側の幹線道路(隣地を一つ挟んだ先)からの騒音対策、自然環境を享受できるリビング、屋根付きパーキング、広いドッグランの確保、ローコスト、そしてゲストが宿泊できることなどであった。
グラフィックデザイナーであるクライアントとの付き合いは四半世紀近くに及び、その仕事や車に対する趣向も深く理解していた。そこで今回は、騒音対策が必要な東側にあえて背を向ける形で、地面に低く構える「クーペ」のような佇まいを提案した。
「クーペ」はフランス語の「couper クペ」(切る)という動詞の過去分詞形である「coupe クペ」(切られた)が語源である。もともとは向かい合った2列の座席がある普通の馬車を途中で切った形からきており、現代では2ドアの流線形が美しい車を指す。
本作では、敷地の緩やかな傾斜を利用しつつ、豊かな自然環境の中で建物の存在感をなるべく抑えることが、周囲のカラマツ林とのバランスに繋がると考えた。そのため、2階のメインベッドルームとリビングに段差を設け、屋根勾配を工夫。さらにXY方向に同レベルでベランダを跳ね出せる特殊金物を採用することで、棟高と後部(東側)を低く抑えている。
1階は片廊下型の動線だが、通路幅や天井高、開口部のプロポーションの検討を重ね、幅広の手洗い器や造り付けデスクを設けることで、移動のためだけでなく「留まれる空間」へと昇華させた。2つのゲストルームは水回りを挟んで配置し、東側の客室にはロフトも備えている。
2階のマスターベッドルームは廊下側にも開口部を設け、吹き抜け越しに南側の景色を望むことができる。リビングからは西・南・北の三方に視界が抜け、それらを取り囲むコの字型のベランダは、北側の幅を広くすることで階下のドッグランを見渡せる計画とした。






