


小山光+KEY OPERATIONが設計した、東京・豊島区の「中池袋公園 高窓の光庭 Luce Jardin」。
催しも行われる公園と対面する敷地に建つ複合ビルの計画です。建築家は、広場と“一体感を生む”ファサードを意図し、高窓部分を後退させて“植栽を挿入する”断面構成の建築を考案しました。そして、内部への視認性の確保とリース面積の最大化も実現しています。
中池袋公園に隣接し、池袋駅東口から徒歩2分の立地に計画された、商業施設と住宅が一体となった複合ビル。
2019年にオープンした複合文化商業施設「Hareza池袋」およびリニューアル後の中池袋公園との調和を図り、地域の新たな魅力を創出することを目指して進められた。中池袋公園は、砂地の舗装から石貼りの広場へと変貌を遂げ、ヨーロッパの広場のような趣を持つ空間として再整備され、文化的イベントや賑わいを支える場として機能している。この広場との一体感を生み出すファサードデザインが、本計画の主要なテーマとなった。
本計画では、敷地が広場に面しているため、高さ制限が緩やかである点を活かし、階高を4メートル程度とすることで、限られた敷地面積においても広がりを感じられる内部空間が実現された。広場への緑化として当初は壁面緑化を検討したが、テナント内部の視認性を損なうという課題があった。
一方、防火設備の制約からアルミサッシの製作高さは2.2mが限界であり、その上部に高窓が生まれることに着目した。この高窓部をセットバックして立体的な植栽を挿入することで、テナントの視認性を確保しながら広場の緑に寄与する「高窓の光庭」を実現した。
「面積を犠牲にせずに緑を都市に還元できるか」という問いへの回答として、高窓の光庭はセットバックした隙間に設けられている一方、建物の下部は敷地際まで広げられており、テナントのリース面積を最大限に確保する効率的な断面形状となっている。
高窓の光庭の軒裏には木材が使用され、立面図のファサードとは異なり、アイレベルから見上げた時に現れるもうひとつのファサードが、建物全体に温かみを与えている。高窓の植栽は季節によって表情を変え、広場の木々と呼応しながら、文化的イベントが開催される広場の賑わいを各階から見渡せる関係性をつくり出している。
本計画では、都心の中高層ビルとして容積率を最大限活用しながら、ポーラスなヴォリュームに植栽を植える隙間空間を創出し、広場との一体感を持たせ、都市の風景に調和した豊かな環境を提供する新たな公共性を持つ建築を提案した。







